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モールス信号の覚え方

まずは一文字をひとまとまりの音とリズムとして聞き、その響きを少しずつ文字へ結び付けていきましょう。このページでは、国際モールス符号の時値、覚え方、A-Zと0-9の構造を順に学び、最後に自分のペースで調整できる14日間の練習プランへ進みます。

最初に学ぶモールス符号を確認する

このページは日本語で案内しますが、一緒に学ぶのはラテン文字と数字に対応する国際モールス符号(欧文モールス)です。ページの言語と、学ぶモールス符号の文字体系を分けておくと、練習する対応が分かりやすくなります。

和文モールスには独自の文字対応があります。和文を含む各体系の違いはモールス符号の文字体系一覧から確認できるので、ここでは国際モールス符号の音と文字に集中して進めましょう。

点とダッシュより先に音と間隔を覚える

短点は 1 単位、長点は 3 単位です。同じ文字の中の間隔は 1 単位、文字と文字の間隔は 3 単位、単語と単語の間隔は 7 単位になります。次の図では、この時値を A ET に当てはめ、1マスを1単位として示しています。

A ETを例に短点、長点、文字内間隔、文字間隔、単語間隔の時値を示すマス目図
Aの信号と内部間隔、AとEの単語間隔、EとTの文字間隔

左から読むと、Aの符号は .- です。短点が1マス、二つの信号を区切る文字内間隔が1マス、長点が3マスを占めます。この短い無音は信号を分けますが、二つの信号は一文字のAとしてまとまっています。

Aの後には7マスの無音があり、AとEの間の単語間隔を表します。そのため、図は同じ単語の AET ではなく A ET と読みます。続くEの短点は1マスです。EとTは同じ単語に含まれるので、その間は3マスの文字間隔になり、最後にTの長点が3マス続きます。音の長さは短点と長点を、無音の長さは文字や単語の終わりを伝えます。聴音では、信号だけを数えず、間隔も含めて一つのリズムとして聞きましょう。

モールス信号の覚え方

音とリズムで直接覚える(音感法)

音感法では、一文字のリズムを最後まで聞き、そのまま文字へ結び付けます。短点だけの音、長点だけの音、短点と長点を組み合わせた音には、それぞれ異なる輪郭があります。聞き終えた後に文字を答える練習を重ねながら、音から直接答える経路を一緒に育てていきます。

音を点とダッシュに直して表で確かめる方法は、ゆっくり答え合わせをするときに役立ちます。連続した受信では、再生、口での発音、軽いタッピングも使いながら、音の長さと間隔を一つのまとまりとして覚えると、変換の段階を少しずつ減らせます。

語呂合わせを一時的な手がかりにする

語呂合わせや視覚的な連想は、最初の関連付けや書面での確認に役立ちます。覚えにくい文字を思い出す足場として使いながら、音だけで答える回も少しずつ増やしていきましょう。

語呂を使うときは、短点・長点の順序を符号表で照合すると、最初から正しい関連を作れます。語呂合わせを補助に、音感法を受信で直接答える道にすると、二つの覚え方を場面に合わせて無理なく使えます。

Koch法とFarnsworthタイミングを組み合わせる

Koch法とFarnsworthタイミングは、学び始めの二つの課題をそれぞれ支えます。Koch法では、まず少数の文字を選び、目標とする文字速度で一文字ごとの音の形を保って再生します。その文字をランダムな順番で練習し、現在の組を比較的安定して答えられるようになったら、新しい文字を加えます。

Farnsworthタイミングでは、文字内の短点・長点・間隔を正しいまとまりとして保ち、最初は文字間と単語間の間隔を広く取って、文章全体の実効速度を下げます。認識が速くなったら、その余分な間隔を少しずつ縮めます。短点と長点そのものを数えられるほど引き延ばさず、一文字の音の輪郭を守る方法です。

二つを組み合わせると、Koch法が目標文字速度を保ちながら練習する文字を増やし、Farnsworthタイミングが文字間に考える時間を作ります。開始速度や進み方は、自分の聞き取りに合わせて調整できます。語呂やツリーを毎回答えに使う間は、今の組ともう少し付き合い、音と文字の結び付きを育ててから次へ進みましょう。

少数の文字を混ぜて能動的に思い出す

新しい文字は少数ずつ加え、聞く順番を混ぜます。受信では、音を聞き終えたら文字を言うか書き、その後で答えを確認します。送信では、見た、または考えた文字から、正しいリズムをタップ、キーイング、点滅で作り、後から照合または再生します。

順番を混ぜると、AからZまでの並びに頼らずに答える練習になります。新旧の文字を一緒にし、答えてから確認することで、まだ曖昧なリズムも見つけられます。迷った文字は一度対応を確かめ、混合練習へ戻してもう一度出会いましょう。

短い復習を間隔を空けて繰り返す

長時間に詰め込むより、短い練習を少し間隔を空けて繰り返すほうが、音と文字の結び付きは確かめやすくなります。当日中、翌日、数日後と、忘れかけた頃に答える機会を作ります。

まずは続けやすい短い時間を決め、迷った文字を次回に少し多めに混ぜてみましょう。前に学んだリズムを確かめながら、新しい文字も自分のペースで加えていけます。

方法向いている用途主な注意点
音とリズムを直接結ぶ(音感法)受信した音を文字として認識する基礎音から答える反復が必要
語呂合わせ・視覚的な連想最初の関連付け、書面での確認音から答える練習も少しずつ加える
Koch法 + Farnsworthタイミング目標文字速度を保ちながら学習範囲を増やす実際の認識に合わせて進度を調整する
少数の文字の混合と能動想起似た文字の区別と苦手な文字の発見答えてから確認すると効果が分かりやすい
間隔を空けた短い復習先に覚えた文字を忘れにくくする定期的に戻るほど生かしやすい

構造から国際モールス符号の文字を覚える

ここからは、表記を使って文字の構造を確かめます。以下では、文字を構成する短点と長点を「符号要素」と呼びます。ツリーで関係を見た後は、完全な音のリズムを文字へ結び付ける受信練習に戻りましょう。

1個・2個の符号要素から始める

1日目は E/T から始め、ランダムな順番でも安定して答えられるようになったら、同じ日に I/M/A/N を加えます。

文字符号リズムの手がかり
E.短い一音
T-長い一音
I..短い音が続く
M--長い音が続く
A.-短い音から長い音へ
N-.長い音から短い音へ
短点と長点の枝で E・T から I・A・N・M へ広がる国際モールス符号の入門ツリー
入門ツリーで E・T・I・A・N・M の関係を見た後は、音のまとまりを文字へ結び付けていきます。

この入門ツリーは、構造の理解、調べ物、書いて思い出す練習を助けてくれます。最初の枝を確かめたら音へ戻り、図で見た関係を「完全なリズムから文字へ」という直接の結び付きに育てます。

最初はこの固定順の音源を聞き、各文字のリズムと間隔を確かめます。2回目は、1文字分を聞き終えるたびに答えてみましょう。

3個の符号要素でできた文字を聞き分ける

次の8文字はそれぞれ3個の符号要素でできており、短点・長点の順序によって異なる輪郭になります。表で出会った後は先の文字と混ぜ、どの順番でもリズムを見つけられるように練習します。

文字符号リズムの手がかり
S...短い音が三つ
U..-二つの短い音の後に長い音
R.-.短い、長い、短い
W.--短い音の後に長い音が二つ
D-..長い音の後に短い音が二つ
K-.-長い、短い、長い
G--.長い音が二つの後に短い音
O---長い音が三つ

この固定順の音源を一度聞き、音の輪郭の違いを確かめます。もう一度聞いて各文字を答え、表と照合します。

4個の符号要素でできた文字を小分けにする

残りの文字は4個の符号要素でできています。三つの小さな組に分け、四つのリズムずつ親しんでから、ほかの組や先の文字と混ぜていきましょう。

第1組:H・V・F・L

文字符号
H....
V...-
F..-.
L.-..

一度目は全体の輪郭を聞き、二度目は各リズムが終わってから文字を答え、表記と照合してみましょう。

第2組:P・J・B・X

文字符号
P.--.
J.---
B-...
X-..-

この組には、短点で始まるリズムと長点で始まるリズムがあります。一文字のまとまりを最後まで聞くと、それぞれの輪郭をつかみやすくなります。

第3組:C・Y・Z・Q

文字符号
C-.-.
Y-.--
Z--..
Q--.-

この組を終えると、A-Zのすべての文字に出会ったことになります。四つの新しいリズムを音源で確かめたら、三組を混ぜて練習してみましょう。

A-Zの暗記を助けるモールス符号文字の同心円ツリー図@morsecodes.net
A-Zの暗記を助けるモールス符号文字の同心円ツリー図

この図では、A-Zをモールス符号の信号数に応じて4つの同心円に配置しています。第1層は短点または長点を1個使う文字、第2層は2個、第3層は3個、第4層は4個使う文字です。外側の層へ広がるたびに既存の符号の末尾へ信号を1個加え、放射状の枝がツリーを形成します。上向きの枝では短点(.)、下向きの枝では長点(-)を加えます。

使うときは中心に近い第1層から始め、目的の符号を一つずつ読みます。短点なら上、長点なら下の枝をたどり、信号を加えるたびに次の層へ進むと、対応する文字に到達します。文字から中心へ逆にたどれば、近くの文字との構造も比較できます。図で関係を確認した後は聴音練習へ戻り、一文字をひとまとまりのリズムとして聞き分けましょう。

短い語で文字境界を聞く

国際モールス符号ではラテン文字を送るため、ここでは METIMETEAMNAME を短い練習語に使います。単語を作る文字まで学んだら、文字と文字の境目を聞く練習へ進めます。

以下の音源では TIME を固定順で再生します。文字間隔を聞き、一文字のリズムがどこで終わるかを確かめます。

リズムの規則でモールス信号の数字を覚える

数字はすべて5個の符号要素で構成されます。1から5は短点が一つずつ増え、長点が一つずつ減ります。6から0は逆に、長点が一つずつ増え、短点が一つずつ減ります。まずはこの規則で構造をつかみ、その後は数字ごとのリズム全体を聞いて答える練習へつなげます。

数字符号リズムの手がかり
1.----短い音で始まり、長い音が続く
2..---短い音が二つで始まる
3...--短い音が三つで始まる
4....-終わりだけが長い音
5.....短い音だけ
6-....長い音で始まり、短い音が続く
7--...長い音が二つで始まる
8---..長い音が三つで始まる
9----.終わりだけが短い音
0-----長い音だけ

固定順の音源で1から5のリズムがどう変わるかを聞き、各数字を一つのまとまりとして答えます。

固定順の音源で6から0も聞き、全体のリズムから数字を思い浮かべてみましょう。

受信と送信を分けて練習する

受信は、聞こえたリズムから文字を答える方向です。送信は、見た、または考えた文字から、正しいリズムを自分でタップ、キーイング、点滅して作る方向です。二つは互いに支え合い、それぞれを分けて練習すると両方向の結び付きを育てられます。

受信の回では、音を聞いて文字を答えてから表示と照合します。送信の回では、その時点までに覚えた文字と数字を使い、時値と間隔を保って送ってから表記や再生で確認します。二つを分けると、迷いが聞き取り、想起、時値のどこにあるかを判断しやすくなります。

A-Zと数字を学ぶ14日間の入門プラン

一日20〜30分を最初の目安にして、その日の集中しやすさや思い出しやすさに合わせて調整してみましょう。迷う文字が残る日は同じ組をもう一度練習し、音から自然に答えられる文字が増えたら次へ進みます。

内容
1日目E/Tから始め、安定したら同じ日に I/M/A/N を加える。
2日目S/U/R/Wを加え、1日目の文字と混ぜる。
3日目D/K/G/Oを加え、1〜3個の符号要素でできた文字を混ぜる。
4日目1〜3個の符号要素でできた文字をランダムに復習する。
5日目H/V/F/Lを加える。
6日目P/J/B/Xを加える。
7日目C/Y/Z/Qを加える。
8日目表やツリーに頼らず A-Z をランダムに復習する。
9日目1〜5の数字のリズム変化を覚える。
10日目6〜0の数字のリズム変化を覚える。
11日目文字と数字を混ぜて受信する。
12日目単語、コールサイン、短い英数字列を練習する。
13日目送信、時値、間隔を受信とは別に練習する。
14日目全体を復習し、迷う文字や混同しやすい文字を記録する。

モールス練習を進めやすくするポイント

  • 毎回文字の順番を混ぜ、A-Zの構造とランダムな受信の両方に親しみます。
  • 一文字のリズムを最後まで聞いてから、点とダッシュの表記で答えを確かめます。
  • 14日間のプランを調整できる道筋として使い、迷う組にはもう一日かけてみましょう。
  • 入門ツリーと完全な文字ツリーは、構造の確認、検索、視覚的な記憶に使い、聞き取りでは音のまとまりへ戻ります。
  • 新しい文字を少しずつ加え、似たリズムを聞き分ける時間を作ります。
  • 信号内、文字間、単語間の間隔も、メッセージの一部として一緒に聞きます。
  • 受信と送信にそれぞれ練習の回を用意し、両方向の結び付きを育てます。
  • 語呂合わせが最初の手がかりになったら、音から直接答える回も増やします。
  • 練習前に使う文字体系を確かめ、国際モールス符号と和文モールスの対応を分けて学びます。

次のモールス学習へ進む

A-Zと数字の初歩を終えたら、国際モールス信号の変換ツールで短い文字列を音にし、新しい順番でも受信する練習へ進めます。確認したい文字は、国際モールス符号の一覧ですぐに調べられます。

モールス信号のフレーズ集では短い表現を聞いたり送ったりできます。音と光による信号ツールでは同じ時値を音と光で確かめられます。和文モールスを学ぶ場合は、モールス符号の文字体系一覧から別の体系として確認します。

CW(Continuous Wave、連続波)は、無線で搬送波をオン・オフしてモールス符号を送る方式です。ここで基本のリズムに親しんだ後は、運用手順や速度も含む専門分野としてさらに深められます。

モールス信号の覚え方:よくある質問と参考資料

いちばん覚えやすい方法は?

受信では、各文字を完全な音とリズムとして聞き、文字を答えてから確認する方法が基本です。少数の文字をランダムに混ぜ、短い復習で迷う項目を戻します。

音と書かれた点・ダッシュのどちらで覚える?

点とダッシュは調べ物や送信の確認に役立ちます。聞き取りでは、音の長さと間隔を直接文字へ結び付けることを目指します。

語呂合わせは役に立つ?

役に立ちます。最初の関連付けや書面での確認に使いながら、音から直接答える回も少しずつ増やすと、二つの覚え方を場面に合わせて生かせます。

少ない文字から練習を始めてもよい?

はい。少ない文字だけでも、時値、聞き取り、送信の練習を始められます。今の組をランダムな順番でも自然に答えられるようになったら次の組を加え、構造を振り返りたいときは完全な文字ツリーや一覧表を使いましょう。

14日間のプランを自分のペースに合わせるには?

14日間を学習内容の道筋として使い、一日分を繰り返したり、短い練習に分けたりしてかまいません。迷う文字は何度か短く復習し、実際に音から答えられる感覚に合わせて次へ進みましょう。

和文モールスはどこから学べる?

このページでは国際モールス符号(欧文モールス)を一緒に練習します。和文モールスやほかの体系へ進むときは、モールス符号の文字体系一覧から専用の案内を見つけられます。

参考資料